最高裁判所第二小法廷 昭和39(あ)10 判決
主 文
原判決を破棄する。
被告人を原判示道路交通法五三条違反の事実につき罰金二、〇〇〇円に
処する。
右罰金を完納することができないときは、金二五〇円を一日に換算した
期間被告人を労役場に留置する。
原審における訴訟費用は全部被告人の負担とする。
理 由
仙台高等検察庁検事長橋本乾三の上告趣意について。
仙台区検察庁検事柏木忠の昭和三八年二月二六日付控訴申立書(記録五六丁)に
よれば、同検事は仙台簡易裁判所が昭和三八年二月一三日言渡した判決中の無罪部
分(同三七年一〇月三〇日起訴にかかる事実中第一の訴因―道路交通法五三条違反
の事実)のみについて控訴の申立をしたことが明らかである。また、この第一審判
決中の有罪部分(右起訴にかかる事実の中第二訴因―道路交通法五四条違反の事実)
については、被告人より控訴の申立があつた形跡は認められない。しかるに、原判
決は、第一審判決が無罪とした部分のみならず、有罪とした部分についても審判し
ている。したがつて原判決には、何等控訴がなく確定し、原審に係属していない事
件について審判をした違法があること所論のとおりである。そしてこの違法は判決
に影響があり、原判決はこれを破棄しなければ著しく正義に反するものというべき
である。したがつて、原判決は刑訴四一一条一号により破棄を免れない。
よつて主文第一項のとおり原判決を破棄し、刑訴四一三条但書により、原判示事
実中前記確定した部分を除き、その余の事実につき、さらに次のとおり判決するこ
ととし、原判決の認定した道路交通法五三条違反の事実を法律に照すと、被告人の
同所為は同法同条、一二〇条一項九号、罰金等臨時措置法二条に該当するので、所
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定罰金額の範囲内で被告人を罰金二、〇〇〇円に処し、右罰金を完納できないとき
は刑法一八条により金二五〇円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置するこ
ととし、訴訟費用の負担につき刑訴一八一条一項本文を適用して、主文のとおり判
決する。
右は裁判官全員一致の意見によるものである。
検祭官 米田之雄公判出席
昭和三九年八月二八日
最高裁判所第二小法廷
裁判長裁判官 奥 野 健 一
裁判官 山 田 作 之 助
裁判官 草 鹿 浅 之 介
裁判官 城 戸 芳 彦
裁判官 石 田 和 外
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